SAMAA_ Sangenjaya
Client : 株式会社サマサマホールディングス
Open : 2025
Category : RESTAURANT
Location : Tokyo
Web :
https://www.instagram.com/samaa_coffee/
Creative Direction : anew inc.
Art Direction : NUSAÉ
Construction : Studio inc.
Photo : Daisuke Shima
_POINT OF DESIGN
およそ築70年のこの物件は、SAMAA_が最後のテナントとなり、役割を終えるのかもしれない。そう気づいた時、この店の人格のようなものが見えてきた。SAMAA_チームがこの建物と握手を交わすようなイメージから、思い浮かんだのは「建物のエンド・オブ・ライフを考える」「花を添える」というキーワード。ボロボロだった空間に人が集まり、ドラマが生まれることで、この場所を選んだことに大きな意味が宿ると考えた。
今回メインマテリアルには、太さや形に難がある国産ヒノキの間伐材から作られた、木毛板を使用。1階の既存壁を包み込むように木毛板を貼り、シンプルな工法で空調負荷も軽減。結果的に、建築のコンテクストにも呼応する最適なマテリアルだったと感じている。
ゲストが最初に触れるエントランスのドアノブは、アキヒロジンさん(AKIHORO WOOD WORKS)にプロダクトデザインを依頼し、長年ウイスキーの熟成に使われてきた樽木をアップサイクルした。またテーブル什器全般は、静岡で70年の歴史を持つマルミヤ家具との共同で、MDFを用いたオリジナルファニチャーを制作。メインカウンターは、色味やテクスチャーを調整できる左官材を用いることで、空間に個性を添えつつ全体を調和させる重要な存在となっている。
「一杯のコーヒーが美しい未来をつくる」をミッションに掲げるSAMAA_にとって、記念すべき一号店。ここで生まれる物語が、これから続いていく歩みの原点となるはずだ。